基本的に『苦痛に耐える美少年』というモチーフはお気に入りなので、彫刻だけじゃなく絵画でも
『聖セバスチャンの殉教』が主題となっているものを見ると(
中には聖セバスティアンが子供の天使、みたいに描かれているのもあるけれど、
そういうのは例外)大喜びで食いついてしまうのだけれど、この国立彫刻美術館にある彫刻の聖セバスティアンには
苦痛に耐えるというよりも
「諦め」のようなものを感じる。病気はアポロの矢によって引き起こされると信じていた古代人にとって、
「矢で射られても亡くならなかった」聖セバスティアンは疫病やてんかんの守護者として崇められ、4世紀ごろからはセバスティアン信仰が興ったそうだけれど・・・
今目の前にいる聖セバスティアンは信仰の対象になるような人物じゃなく、
「もう何もかも終わった・・・」というような表情をしていて、
見ているこちらも気の毒になる。どんよりした気持ちで他の彫刻を見ていると、これまたアロンソ・ベルゲテの作品
「イサクの犠牲」に目がとまった。


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