サンティアゴ・デ・コンポステーラの町に入り、「Camino de Santiago(Santhiagoへの道)」と書かれた標識に従って進むとカテドラルに到着した。
800kmを歩き通したり自転車を漕ぎとおしたり馬に乗り通した
巡礼者には及びもしないけれど、
5km分の達成感をかみしめる。「Monte do Gozo(喜びの丘)」からここまで、追い越したり追い越されたりしながら私と前後してカテドラル前にやってきたいくつかのグループの人たちが、数々の
巡礼地を経てここにやって来た証の
巡礼手帳を手に、
巡礼事務所で「
巡礼証明書」
(「巡礼」ばかりの文章になってしまった・・・)を発行してもらっている。
その人たちに
「800kmの長旅、本当にお疲れ様でした!」と心で拍手を送りつつ、新たな気持ちでカテドラルの中に入ってみた。
毎日見ている
「栄光の門」の彫刻たちも、大理石の柱の上にいるサンティアゴ(
聖ヤコブ)の彫刻も、
『よくやった!』と言ってくれているみたい。
幸い
サンティアゴの柱の前には珍しく誰もいなかったので、初めてここに来た時からずっと
「一度じっくり見てみたい」と思っていた、
巡礼者たちが右手で触れながら祈りを捧げたせいでできた指先の形の5つのくぼみの前に立った。
人差し指の部分だけが横に流れるように、他の指の跡より長く伸びているのは人差し指に一番力が入っているからかなあとか、大理石ってすり減った内部にもちゃんとマーブル模様が入っているんだなあとか、表面に見える即物的なことを一通り検分した後、5つのくぼみに自分の指先を添えて
「神様ってほんとにいるのかなあ」ということを考えた。

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