ミニチュアの投網売りの老セニョール(おじさん)の縄張り(?)から少し離れたところにも、元漁師っぽい老セニョールがいる。こちらの老セニョールの前に並んでいるのは、
プラモデルというにはあまりにチャチいお船の模型
(老セニョールの手作りかも?)の船体にたどたどしく「NAZARE」
(老セニョールの孫の手書きかも?)と書かれたものがいくつか。
さきほどの投網の老セニョール、そしてこの模型の老セニョールを見ていて
「人生いろいろ」という言葉が映像になって目の前に迫ってきた。
投網の老セニョールには老セニョールの、
模型の老セニョールには老セニョールの、そしてお宿の宿泊客が何かしら思うことを書き留めたノートに
『僕は2年間 必死で仕事ばかりしてきました。そんな自分が嫌になって、仕事を辞めてリフレッシュの為に旅に出ました』『この宿に25連泊しました』『もう日本には3年帰っていません』と書いていた旅人たちには旅人たちの、それぞれが送ってきた人生。
「いくら必死でも2年間くらいで仕事辞めちゃうなんてねえ・・・
最近の若い人は・・・」と思ってしまう私も、2年間で仕事をギブアップして
ナザレにやって来た旅人も、少なくとも50年くらいは来る日も来る日も大西洋に漁に出て、やっと漁師生活をリタイヤしたのに、その後は来る日も来る日も、砂浜に
ミニチュアの投網や船の模型を並べ、来るか来ないか分からないお客を待っている老セニョールにすれば同じように
「気楽に生きている観光客」でしかないのだろう。
大きな目的も目標もなく足の向くまま
ユーラシア大陸のはてまでやって来て、なんとなく観光して毎日を過ごしている。
というよりも、やり過ごしている?
そんな自分がとても小さく思えた。
このままぬくぬくとナザレにいても、前には進めない・・・。
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