ロカ岬の海を見下ろす断崖に立つ、てっぺんに大きな十字架を頂いた石碑

には
ポルトガルの詩人
カモンエスが
ポルトガル黄金時代の
航海者達を格調高くうたった叙事詩「ウズ・ルジアダス」の中の、
宮本輝の小説のタイトルにもなった有名な一節が刻まれている。
AQUI・・・
ONDE A TERRA ACABA E O MAR COMECA「ここに地終わり 海始まる」刻まれた文字を指でなぞりながら、アキ オンデ ア テッラ アカバ エ オ マル コメサ・・・と声に出して読み上げてみた。
(読み方はスペイン語風で単純にローマ字読みなのでポルトガル語の発音とは多少違うかも)AQUI(ここに)TERRA(地)MAR(海)という単語の生々しさ。
ほんとにここからいろんな野望を抱いた冒険家やコンキスタドーレス(征服する者たち)が旅立ったんだなあ。その頃からこの岬は今と同じように厳しくて、でも美しかったに違いない。さっきまで煙っていてよく見えなかった水平線が、次第に白くハッキリと見えてくる。
いくら大きな船を作ったとしても、大航海時代の木製の帆船で、行く手に何があるかも分からないこの大きな海に漕ぎ出すのは現代の私が想像する以上に勇気が必要だったことだろう。ここから旅立ち、運よく新大陸にたどり着いて功成り名を遂げたのち無事に生還し、歴史上の人物となれたのはほんの数名。その人たち以外に、一体どれほどの人たちがここから出発したまま、戻って来られなかったか。。。
イカロスが太陽に近づこうとして、蝋で固めた鳥の羽を持ってはばたき、
結局太陽の熱で翼が溶けて墜落してしまうという
♪勇気ひとつを友にして の歌詞を思い出しつつ、
波にはかなく散った中世の名もなき人たちに黙祷を捧げた。たくさんの人や野望や情熱をのみこんで目の前に迫る海は、
それでも素晴らしく美しかった。
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