予約した時間に
ファドレストラン A Severaに着くと、ドアマンとして駅員さんのような制服を着たセニョール(おじさん)が立っていて、
恭しくドアを開けてくれた。既にひとステージ終わった後のようで、お店の中は歌声も聞こえず、落ち着いた雰囲気。。。
女子一人で食事なし、という予約をしたせいか(他に席が空いていないわけでもないのに)
入り口を入ってすぐ、人が出入りをするたびに風がスースー入ってきて落ち着かないというへんてこりんな席に案内されたので、ちょっと勇気を出して支配人というかオーナーというか、とにかくそこらへんのウェイターではないセニョールに
「この席は寒いからイヤ。空いてる席に移ってもいい?」と言ってみた。
セニョールは
「これは失礼しました、セニョーラ!」(ポルトガル語には『セニョーラ』に『セニョリータ』という意味も含まれる、と教えてもらったので、
セニョーラ(スペインでは『おばさん』の意味)と呼ばれてカリカリしなくてよくなった。精神衛生上まことによろしい)と言うと、お店の中央に近い、風がスースー入ってくることのないテーブル席に案内してくれた。
ワンドリンク付なので、何を注文しようかと考えていると、隣のテーブルに座っていたご夫婦らしきカップルの、セニョール(おじさん)の方が
「どこから来たの?」話しかけてきた。
今はカナダのオンタリオに住んでいるらしいこのセニョール、数年ぶりに
ポルトガルに帰国し、愛する
ファドを聴けるのがとても嬉しいみたい。自分の幸せを誰かに分けてあげたいようで、私を含む周りの人たちにワインをごちそうしてくれた。
「初めて会った人なのにいいのかなあ・・・ごちそうになってすみません」という気持ちで奥さんらしきセニョーラに目礼すると、
セニョーラは
「いいのよ!」という風に私に向かってウィンクし、あなたおかわりはいらない?と言わんばかりに、テーブルの上のワインのボトルを指差して小首をかしげてくれた。
ごちそうしてくれたからって訳ではないけれど、いいご夫婦だなあ。
とってもお似合いだわ。
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