気ままに暮らす旅好き・離島好き・変身写真好きなはてるまの身辺雑記です。
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通常は拝観料がいるはずのカテドラルも、お祭りのおかげか今日は入場無料らしい。
重ね重ねツイてるなあ!と喜んでカテドラルに入り、人の波に飲み込まれつつ内部を見学。

 1229年に建設が始まり、1493年に完成したというこの大聖堂は、完成後も時代に合わせて都度都度増改築され、完成当時のオリジナルの部分は少なくなってしまったものの、各時代に活躍した建築家たちによって芸術性は維持されていて、
総本山

スペイン・カトリックの総本山」という立派な肩書きに恥じない、本当に威風堂々とした建物。

 16世紀初頭に、一部にコロンブスがアメリカ大陸から持ち帰った金も使われている、金・銀・宝石で細工された聖餅顕置台(高さ3m、重さ約200kg!)というものすごいお宝がある、ということも納得のカテドラル。
 ここには美術館も併設されていて、この町で人生の後半を過ごしたエル・グレコの宗教画や、先日チンチョンで「聖母昇天」を見学したゴヤの作品などが保管されているらしい。
 今日はお祭りで美術館の警備にまで手が回らないのか、入場しようと思って扉に近づくと、大柄な警備員風のセニョール(おじさん)に

「今日はここには入れないんだよ。また明日来てね、セニョリータ」と言われてしまった。。。残念だなあ。。。
「歩き方」にはカテドラルの北側にある塔に登るができる、と書いてあるけれど美術館も入れなかったし、塔も無理かも、と思いつつものは試しなので塔に向かって進むと、やはりここでも警備員のセニョールに「今日は入れないんだ、ごめんね」とやんわり入場を断られる。
「分かりました」と答えてカテドラルを後にしようとした私の背中に向かって、警備員さんは

もうすぐ○○○○(全く聞き取れない単語)だから、カテドラルの近くにいなさい!」と声をかけてくれた。

「グラシアス!」と返事をしたものの、「セニョールが言ってた単語、全然分からなかったな〜・・・一体なんだろうな〜??」いう素朴な疑問が。
 でもまあせっかく声をかけてくれたんだし、急ぐ旅でもないので「○○○○」が一体何なのか見極めようと、再びカテドラルに戻ることにした。

・・・なんとなく、さっきより人が増えたような。気のせいかな??


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「歩き方」にはトレドの鉄道駅から、セントロ(町の中心地)となるソコドベール広場までは徒歩20分、と書かれている。
・・・確かに20分あればセントロまでは行けます。行けますが・・・さきほど兵隊さんたちの行進を見た、タホ川にかかるアルカンタラ橋を渡ってトレド町内に入ってからソコドベール広場に着くまでの道の、急坂っぷりと階段の多さにはただごとではなかった。。。

 照りつける太陽の下、息を切らせて急坂や階段を上りながら
アランフェスからの日帰り観光にしてほんとによかった!!
タヌ夫さん(キャスターつきバックパック)
と一緒では

とてもとてもこの道を登りきってお宿探しなんてできたものじゃないわ!!
と汗まみれになりながら、ソコドベール広場に到着。

広場は「わ!!」と思わず声が出るくらいの人だかり。そして懐かしのラ・マンチャ地方でお世話になったスーパーおじいちゃん、アナスターシオが「私に」と道々生えているのを手折ってプレゼントしてくれた、ローズマリーの香りが強烈にプンプンと漂っている。

 さっきの兵隊さんの行進といい、コレは絶対に何かのイベントがある!!と、ワクワクしていると、観光案内所の看板があったのでそこの職員さんに「今日は何かのお祭りがあるの?」と聞こうかなあと思って入ってみた。
が、なにしろ今日のトレドは人だらけで、観光案内所の中も観光客らしき人たちでいっぱい。巨大なバックパックを背負ったままで、体力はあるけど他人への気遣いがないパッカーたちに押し出されるように再び外に出て、カテドラルへ向かう道を人に揉まれながら少しずつ進んでいくと。。。

建物と建物の間に天幕のような、日除けのような布が張られていたり、
天幕

建物の窓々からストール状の綺麗な布が垂らされていたり、鼓笛隊の行進があったりと、お祭り情緒は高まるばかり。

 トレドは中世の町並みを残しているので道幅もやたら狭く、その狭い道のキャパ以上の人々がひしめいていて、前に進めないこともたびたび。途中で何度も休憩しつつ、やっとカテドラルに到着。

予想はしていたけれど、カテドラルの周りも人・人・人!!
活気があるのはいいけれど、少し息苦しい・・・。



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翌日。

チンチョンで「田舎町」の雰囲気も満喫したので、今日はToledo(トレド)に行ってみる事にした。

 朝ごはんをすませ、気温はまだ17℃で昼間の暑さがウソのようなアランフェスを出発。林の中の道を砂埃を上げながら駅まで歩き9:03発の列車に乗る(もちろんイチゴ列車ではない)

 駅で香港から旅行に来たという看護師さん2人組にものすごく流暢な英語でアランフェスの観光案内所の場所について尋ねられ、「えーとえーとえーと・・・」と頼りない英語で対応しつつ予期せぬ大汗をかく。

ここはスペインで私は日本人なんだから、英語なんかできなくったっていいんだもん。。。

 香港人看護師さんたちから逃げるように列車に乗り込み、30分の移動ののち、町の三方をタホ川に囲まれた小さな町、Toledo(トレド)に到着。

 「歩き方」には鉄道駅から町までは少し歩く、と書かれているけれど、道順は駅前の横断歩道を渡り、右を向いて歩いて分かれ道を左に進むとあとは道なり、という簡単なもの。
 新しい町では迷子になりがちな私でも、さすがにこの道順を間違う事はないだろうと、「歩き方」の指示通りに歩く。10:00になる頃には太陽の日差しも強くなってきて、今日もまた暑くなりそうな気配・・・。
 額に汗しながら、トレドの町の入り口にあたるアルカンタラ橋を上をたくさんの兵隊さんたちが整列して歩いているところを目撃。

すわ、出撃?!でもアルカンタラ橋以外はいたって静かだし。。。何かのイベントかな?と思いながら、タホ川を隔てて見るトレドの町をしばし眺める。カテドラルとアルカサルが際立って大きくて「中世の要塞都市」という感じ。

 トレドの町は711年〜約400年間もイスラム教徒の支配下にあり、1085年に当時のスペイン国王に再征服されて名実ともにスペインの町になった(戻った?)にも関わらず、1492年まで、トレドの経済を握っていたユダヤ人と共にたくさんのイスラム教徒が居残っていたといういわくつきの町らしい。

 ということは、マドリー(ド)に程近いにもかかわらず、このトレドの町には私が大好きなイスラム彫刻やイスラム建築がたくさんあるのではないかしら。。。

 アランフェスの王宮で見た『喫煙の間』以上にをおお!!っとうならせてくれるイスラム建築物に出会えるのかな??楽しみ!!


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 アニス酒の水割りを苦労して飲み干し、愛想のいいフロントのセニョール(おじさん)にグラシアス!とお礼を言ってパラドール(スペイン国営ホテル)を後にした。そんなに規模は大きくないけれど、落ち着いていて、いい感じのパラドールだったなあ。。。
 
 続いてはマヨール広場から(どこへ行くにもここを通らないといけないとは・・・ほんとに名実共にチンチョンのセントロ(中心地)である)丘を登ってパロキアル教会に向かい、ゴヤの「聖母昇天」を見学させてもらうことにする。

 カテドラルというほどの規模ではなく、地域の人たちが集ってお祈りをするための教会らしく、装飾もステンドグラスも決して華々しくはない。その分落ち着いた雰囲気で『悩める子羊』たちの為のもの、という感じ。

 日本のお寺でもそうだけれど、建物が大きく立派になるにつれて「お祈りをするところ」というよりも「見学するところ」というものになってしまって、素晴らしい仏像やキリスト像を見ても「わっ、すごい!」と驚くもののありがたみはあまり感じない。
立派な施設を維持するための必要経費とはいえ、お寺や教会が大きくなればなるほど拝観料だってバカにならない金額になるし。。。

 パロキアル教会の外観は「これが教会?」といぶかしく思うくらいに特徴がなく、窓枠にはステンドグラスもない。入り口は木の扉で、施錠もされていなかったので「お邪魔しまーす」とつぶやいて中に入らせてもらう。

 白人の観光客らしき人たちが3人、祭壇に向かって熱心にお祈りをしているので、邪魔にならないように座席に腰をかけて、教会の中に漂う静謐な空気に包まれることしばし。3人の観光客のお祈りが終わった頃、神父さんらしき人が登場して「こちらへ」というように3人を手招きし、教会の後ろの方の座席に腰掛けている私にも気づいてくれてにっこり笑って下さった。

「あなたも一緒に来なさい」と言われたような気がしたので、厚かましくついていくと、目隠しのためのカーテンに隠れていた「聖母昇天」を披露してくれた!

 ゴヤといえば「裸」or「着衣」のマハ、もしくは「わが子を食らうサトゥルヌス」ゴヤ
のイメージなので、セクシーかつおどろおどろしい画風の絵を想像していたけれど、さすがに絵のテーマがテーマだけに、優しいタッチと繊細な色使い。他の観光客と一緒にしばし絵を眺め、神父さんの話すとってもありがたい話(多分。なんとなく聖書の一節についてお話されていたような雰囲気)を聞かせて頂きつつ、心が洗われるようなひと時を過ごしたのだった。。。


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 マヨール広場に戻り、再びお土産物やさんなどを見ながらうろうろしていると、レンガ造りのパラドール(スペイン国営ホテル)を発見。

「こんなに小さな村にもパラドールがあるとは!!これはぜひ見学させてもらわねば!!」と、ずんずんと建物内に進入。
 門に見張りのおじさんがいないので部外者も入り放題。開放的だなあ・・・。
 修道院を改装したこのパラドール、建物は法廷や監獄として使われた事もあるという暗さは微塵も感じない。

 近代的なリゾートホテル風のエル・サレールのパラドールで、ビルバオ出身のご夫婦にものすっっごいボリュームのお食事をごちそうになった事を思い出しつつ、フロントのセニョール(おじさん)に「宿泊客じゃないけれど見学させて下さい」とお願いすると、
「お部屋は無理ですが、パティオ(中庭)はご自由に見学して下さいね、セニョリータ」
と、ちょっと信じられないくらいアッサリと、しかも愛想よく了承してくれた。ありがとうセニョール!!

 フロントのセニョールお勧めのパティオチンチョン
は列柱の回廊に囲まれていて、こじんまりしている中にも噴水・植木がいい塩梅に配置されていて見ているだけでとっても落ち着く。

 アランフェスの王宮のいかにも野放図なお庭とは大違いの整然としたパティオをしばし愛でたあと、レストランを覗いてみると、食事をしなくても大丈夫そうな雰囲気。
 カジュアルな服装のお客もいるので、ニンニクと並ぶチンチョン名物、アニスを堪能するべく、アニス酒をこのレストランで飲んでみることにした。
微々たる売り上げだろうけど、快くパティオの見学を許可してくれたセニョールへのちょっとしたお礼にもなるかなあ。。。
と、張り切って「飲める女」を気取ってみたけれど、実はアニス酒の味も香りもあまり得意じゃないのだなあ。水割りにすると白濁するってところも、お酒のくせに見た目がカルピスっぽくて気に入らない。

 ちょっと甘くてクセのある歯磨き粉みたいな、いかにも「人工的」な味、更に口に含むと鼻にアニスの香りが抜けるすううっとした感じに弱りながらも、チビチビチビチビ舐めるように味わっていた。

根っからのけちんぼなのでいくら口に合わなくたって、
「残す」なんてもったいないことできないわっ!



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 ハポネサ(日本人)!と呼びかけてくれたセニョーラ(おばさん)によると、チンチョンのセントロ(中心地)のマヨール広場から、バス通りを少し歩くとニンニク工場(多分)があるらしい。

 ニンニク工場・・・そんなにニンニクに興味がありそうに見えたのかしら私?と思ったけれど、なにしろ「村はずれの古城以外見るべきものもない」(by歩き方)らしいので、散歩がてらセニョーラが教えてくれた道をブラブラ歩いてみた。

 バスを降りた時は「乾燥してるなあ」と思ったチンチョンの空気にも少し慣れてきたけれど、太陽は相変わらず燦燦と、というよりもギラギラと輝いてモロモロに脱皮している腕を焦がしそうなイキオイ。
ああまた日焼けが悪化する・・・とドキドキしていると、不意に鼻にツンとくる、ニンニクの香りが漂ってきた。

 おお、ココが工場か!と思っていると、一歩近づくたびにニンニクの香りが濃くなってくるのには驚いた。空気の中のニンニク濃度が違うのが如実に分かるのがとっても面白く、3歩工場に近づいて胸いっぱいに空気を吸った後5歩遠ざかって新たに空気を吸い込み、

「わあ、やっぱり離れた分だけニンニクの香りが薄くなる〜!」なんて言って喜んでいた。

何もない村でも結構楽しめるものだなあ、私という人間は。。。
 通りに誰もいないので、工場前で行きつ戻りつしてつつスーハースーハー呼吸して喜んでいる怪しい東洋人なのに、「なんだコイツ?」と誰に睨まれることもない。こういう好き勝手ができる田舎ってやっぱり大好きだなあ、と思いながら工場の中を覗いてみると、すぐそこに大量のニンニクが!!

 ニンニクを加工する工場かな?と思っていたけれど、この工場ではチンチョンでできたニンニクを集荷→出荷しているらしい。
一人で門から工場を覗いている謎の東洋人に対して「迷子かな?」と思ったらしい工場の人たちは、親切にもニンニクの集荷の手を止めて門までわらわらとやって来て、

「セニョリータ!マヨール広場はあっちだよ」と教えてくれた。親切!

 Utielでも思ったけど、トラバハドール(労働者)って見た目は強面でちょっとビビることもあるけど、気のいい、優しい人が多いような気がする。
トラバハドールたちの親切に応えるために、グラシアス!とお礼を言って今来た道を引き返したものの、マヨール広場に戻る途中も「工場から3歩遠ざかってスーハー、5歩戻ってまたスーハー」というヤツをやっていたらやたら時間がかかってしまった。。。


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 気のいいBar(立ち飲み屋さん)のセニョール(おじさん)のマヨール広場自慢を聞き、改めて長屋風の建物に取り巻かれた変形三角形のマヨール広場に目を向ける。

 2〜3階建ての明らかに古い木造
チンチョン
の建物(セニョールご自慢のバルコニーももちろん木造。闘牛を見て興奮した人が床板を踏み抜いたりしないか、少し心配)は、古きよき時代のスペインってこんな感じだったのかな?と思わせるのどかな風景。

 さすがは「スペインで一番古い広場」と言われるだけのことはあるなあ、マヨール広場。。。と感心しながら反対側の建物のバルコニーを見てみると、狭いバルコニーをテラス席にして椅子やテーブルをみっちり配置している商魂たくましいリストランテがあったり。
 小さい村ながらもやはりここは観光地なのだなあ。それにしても「木造」って、意外と頑丈なのね。

 ほのぼのとした良き時代を想像しつつ、お話好きのセニョールに「アスタ ルエゴ(またね)!」と一旦お別れの挨拶をしてから、チンチョンの「売り」であるニンニクアニス(酒)探訪に出発。

 実は「ニンニクなんてどこで食べても一緒じゃないの〜?」と思っていたけれど、セニョールが他のお客に出していたガーリックトースト(ガーリックバターを塗って焼いたものではなく、その場で生のニンニクを半分に切って、フランスパンにこすりつけてこんがり焼いてくれる)をサービスしてくれたものが、ちょっと
おおっ?!と思うくらい香り高くて美味だったので、俄然興味がわいてきたのだった。
「食」に振り回される女だなあ、私って。
探訪、と意気込んで出発したけれどチンチョンは小さな村なので、ニンニクをお土産物として売っているお店もアニス酒を売っているお店もBarのすぐ近くに見つけてしまった。なんだかあっけない。。。

 無造作にビニール袋に詰められてごろごろしているニンニク。日本のものと比べても、スペインの他の地域で見るものと比べても小粒でカワイイ。
店先のニンニクをじろじろ見ていると、お店のセニョーラ(おばさん)が
「Hola!ハポネサ(日本人)!」と声をかけてくれた。
2人続けて「チーナ(中国人)」って言われないなんて・・・信じられない・・・
チンチョンの人って、オリエンタルを見分ける能力が備わってるのかしら。


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 翌日も朝から暑い暑い。
 強烈な太陽から逃れようと、アランフェスからバスに乗ってチンチョンという小さな村にお出かけ。

 アランフェスの北東20kmにあるこの小さな村は「歩き方」での採り上げ枚数も1ページのみ。しかも「村はずれにある古城を除いてモニュメントらしきものは何もない」と書かれている。(「歩き方」って自分たちが採り上げた町や村なのに、往々にしてこういう突き放した書き方をするよね。これを読んだ人にこの村(町)に

行ってほしいの?ほしくないの?
って聞きたくなるような・・・)

 「暑さと感想で顔が突っ張る〜!!」と思うアランフェスなのに、実はあれでもタホ川のおかげで空気が潤ってたのだなあ・・・としみじみ思うくらいにチンチョンの町は乾燥しまくり。

 バスを降りてすぐに目に付いたBar(立ち飲み屋さん)に入ってあー暑い暑い、といつものようにカフェ・コン・イエロ(アイスコーヒー)を注文し、Barの店長さんらしきセニョール(おじさん)に
「アランフェスが暑くてチンチョンに来たけど、ここも暑いですね〜」と話しかけると、「そんなに暑いなら」と、大きなグラスに氷のお代わりを山盛り入れてくれた。

 無作法は承知で適当な大きさの氷を口に入れ、ガリガリかじりながら(とても妙齢の女子の行動とは思えない・・・)村の中心、マヨール広場を眺めていると、Barのセニョールが

「ハポネサ(日本人)?」と声をかけてくれた。
中国人?じゃなく日本人?って聞かれるのって、新鮮だなあ。。。

「Si!soy japonesa!」と答えると、セニョールは「ハポネサが一人でチンチョンに来るなんて珍しいね」と話しかけてくれた。

 異国人好きでお話好きのセニョールみたい。こういう人には話しかけやすいので、「日本語のガイドブックには『チンチョンにはあまり見るところがない』と書いているけど本当?」と遠慮なく聞いてみると、
「そんなことはないよ!アンタが今見ているマヨール広場、週末には囲いを作ってその中で闘牛をするんだよ!!ウチのバルコニーはソンブラのテンディドみたいなものだ!」
と、説明してくれた。

闘牛場の席は1〜3階に分かれていることが多く、それぞれ1階→テンディド 2階→グラダ 3階→アンダナーダという名称。更に日陰→ソンブラ 日向→ソル 闘牛が始まる時は日向で時間が経てば日陰になる→ソル イ ソンブラ と、場所によっても名称が違うので、チケットを買う時に自分で階数と場所を指定する。このセニョールのBarは闘牛場でいうなら「日陰の1階」で、とっても見やすい席、ということになる)

自宅のバルコニーがソンブラのテンディドとは。。。
なんて羨ましいっ!!!



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 名前からしてエラそうな「王子の庭園」内にある、名前からして庶民風の「農夫の家」には豪華なシャンデリアや彫刻のギャラリーまでありいかにも「贅を尽くした」というシロモノ。
 なんとなく、どこかの国で見たような記憶が。見覚えがあるなあ、どこで見たんだったかな、こういう離宮・・・と思っていたところ、フランスのベルサイユ宮殿に似せてつくらせたから、という説明があり、深く納得。

「Galaria de Estatuas(彫像のギャラリー)」に設置されているこの離宮の名物(?)は、1804年にフランスから運ばれたトラヤヌスの柱時計』という巨大な円柱の時計。
時計

 政治そっちのけで時計のコレクションにあけくれた往時のスペイン国王、カルロス四世が手に入れたこの巨大な時計は、小さな星がチクタクチクタク最近このオノマトペって使わないなあ。時計もデジタル表示ばかりだもん)と回転しつつ、柱の上に向かって動いていき、12時間ごとに同じ動きを繰り返す、らしい。

12時間も時計に貼りついていられないので、本当に12時間後に全く同じ動きをするのかは不明・・・)

 円柱時計の他にも「プラチナの部屋」と名づけられたお部屋もあり、狩の休憩に使うだけなのに・・・どこまで豪勢にお金をかければ気が済むの?と、往時のスペイン王家の財力に呆れながら、広いお庭をブラブラと散歩する。
 この離宮、ベルサイユ宮殿に似せたということなので、お庭も完璧に計算されつくして幾何学的で、植木もお花も整然とした形式に則って配置されているのだろう、と思ったのに、

あら不思議。離宮の中はかなり「ベルサイユ」度が高いのに、一歩お庭に出ると言葉は良く言えば「あるがままの姿」、悪く言うなら「ほったらかし」の木々の群れ。
 アランフェス駅からセントロ(町の中心)まで、未舗装の道路をキャスターに砂を噛んで全くいうことを聞いてくれないタヌ夫さんをひーひー言いながら引っ張ってきたのと同じような「林」が延々と続いている。。。

ところどころ「ここで休憩してね」って感じで設えてくれている噴水も水が枯れていて、ちょっと切ない。
建物はなんとかベルサイユを真似たけれど、お庭の野放図さはいかにもスペインって感じ。王様も「ちょっとベルサイユと違うみたいだけど・・・まいっか!」って思ったんだろうな。
好きだなあ、こういうアバウトなところ。

それでこそスペイン王室!って感じで。。。



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 見学ツアーに戻ると、ガイドさんは他の観光客のみんなに
「セニョリータは『喫煙の間』がえらく気に入ったらしい。

嬉しそうに笑いながら天井を見上げていたんだよ!」と早速報告していた。
・・・「嬉しそう」だけならまだしも、「笑いながら」ってことまでみんなに暴露しなくったって・・・。

 ガイドさんのこの言葉で「一人旅らしいのに頼りない子だなあ」と思われたのか、移動するたびに誰かが
「Oiga(ちょっと)!セニョリータ!」
「セニョリータ!Venga aqui(こちらへどうぞ)」

などと何かと声をかけてくれる。

はぐれた事で完璧にこの見学ツアーのマスコットになってしまったみたい・・・。少し照れくささを感じつつ、王様が使っていたゆりかごや、王宮内の博物館に展示されている見事な扇子などに感心しつつ、当時の王族たちの華麗なる生活を想像していた。

屋内の見学がすむと、広い広い敷地内に点在する「水兵の家」「農夫の家」などの離宮も見学。

「水兵」「農夫」と鄙びた名前の由来は、「水兵の家」は往時の王族たちが王宮沿いを流れるタホ川にお船を浮かべ、優雅な舟遊びをした時にお使い遊ばされた小船の展示がある、そして「農夫の家」はこの離宮が建てられる前はその場所に農家があったから(強制移住だ。権力者はいつの時代も横暴だなあ)、という理由とのこと。

 この離宮、驚く事には寝室が一室もない。王様が狩や保養のためだけに造ったこのゼイタクな離宮を建てるために、おじいちゃんのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんからここにずっと住んでるだ!という愛着のあるおうちから
「王様が離宮を建てるっておっしゃっているから

お前たちはとっとと立ち退きなさい!
と追い払われたであろう農民たちの心情はいかばかり。

 マリー・アントワネットベルサイユ宮殿の中にしつらえたプチ・トリアノン宮みたいに「農民ごと」ひとまとめにした離宮として設営してあげればよかったのに。
それはそれで「見世物」って感じがしてイヤかもしれないけれど、住み慣れた土地から追っ払われるよりかは随分マシなのでは?思うんだけど。。。


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「はっまた『Me entiendes(分かる)?』って聞かれちゃったよ・・・『???』って顔してたんだな、私・・・」というなんとも言えない緊張を感じつつ、アランフェスの王宮内にある数々のお部屋を見学。

 趣のあるお部屋が多々ある中で、わっ何この部屋?!
と驚いたのは陶器の間』。陶器の部屋

 デフォルメしすぎて「いかにも」な顔(つり目で下膨れ)をした極彩色の中国人が描かれた陶器や、動物・植物の陶器が部屋中にところ狭しと溢れている。
 部屋自体は広い、と思うんだけどキャパと比べて陶器が多すぎる!みんなでウロウロと見学するだけならともかく、もしこの部屋に住め!って言われても多分住めない。全然落ち着かなくて。

 陶器の間から出てほっと一息つき、純粋におおっコレは!!と感動したのは『喫煙の間』
喫煙の間


 「王妃が喫煙をする」為だけに造られたこの喫煙室は・・・色使いも目に鮮やかなイスラム建築で、懐かしのアルハンブラ宮殿セビーリャのアルカサルを髣髴とさせるお部屋。ガイドさんの説明によるとこの『喫煙の間』はアルハンブラ宮殿で私が痛く感動した『二姉妹の間』のコピーだそうで(これくらいの説明なら『Me entiendes?』と聞かれても自信を持って『Si!entiendo(ハイ、分かります!)』と答えられて嬉しい)、美しい彩色にも納得!!

 天井を見上げると、小さな鍾乳石が一面に並んだような緻密な彫刻に施された見事な彩色!ガイドさんの説明も聞き流しがちになり
アルハンブラ宮殿もアルカサルも、建築当時はこんな風にキレイな色だったんだろうな〜・・・色つきのイスラム建築ってやっぱりスゴイわ〜・・・モロッコの宮殿ももう一度見たいなあ・・しかしモロッコは暑かったなあ・・・砂漠の夕日、すごかったなあ・・・」

とりとめのない思い出と妄想に浸っていると、

いつの間にか見学ツアーは次の間に移動していたみたいで、次の間に進んでから私の不在に気づいたガイドさんが

「Oiga(ちょっと)!セニョリータ!」
連れ戻しにきてくれるまで、ニヤニヤしながら天井を見上げていたのだった。
何から何までお手数をかけてすみません。。。

 

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