プリプリしてその場を立ち去ろうとすると、アナスターシオは
VESPAを押しながら追いかけてきて、
「どうしてそんなに怒ってるの?怒ってるなら謝るよ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」と延々と「ごめんなさい」を繰り返す。
「ゴメンじゃないよっ!!
日本人は知らん人にチューなんかさせへんねんっ!!」と、興奮冷めやらず大阪弁でまくしたてる私と、ゴメンゴメンと謝り続けるアナスターシオ。
ハタから見たら
妙齢のご婦人とじいちゃんが痴話ゲンカしてるみたいじゃないか・・・。この町も
アルカサル・デ・サン・ファン同様、人通りがほとんどなくって、ハタから私たちを見てる人なんて誰もいないけど。
私の剣幕に恐れをなしたらしいアナスターシオは
「ゴメンゴメンゴメンゴメン。カンポ・デ・クリプターナ駅まで送ろうか?」と下手に出始めたけど、
「いらんっ!バスで帰る!!」(まだ大阪弁)と一言でお断りし、アナスターシオと
VESPAをその場に残し、
チューされたり腰に手を回されたりした時の怒りを忘れられないまま、引き続きプリプリして目的もなく歩いていると、
直射日光に炙られている暑さとしょうもないことをしたアナスターシオへ怒りでアタマがクラクラしてきた。そういえば今日はあまり水分も取ってなかったなあ・・・どこかに
お水売ってないかな??と思っているのに、商店もスーパーも見つからないまま、とうとう町外れまで来てしまった。
もうっ!!ここはゴーストタウンかっ!!こんなに歩いて売店のひとつもないなんてどういうことっ!と、一層イライラしながら今来た道を引き返して再び射撃場に戻ると、今『しょんぼり』という擬態語がこれ以上似合う人は
ラ・マンチャにはいないだろう、と思うくらいに打ちひしがれたアナスターシオが
VESPAに凭れて佇んでいた。。。

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