気ままに暮らす旅好き・離島好き・変身写真好きなはてるまの身辺雑記です。
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私たちと一緒にコンスエグラに行くことになったのがとっても嬉しそうなおばあちゃん、
どのケソ(チーズ)が好き?どのチョリソが好き?どの果物が好き?とあちこちのお店の前で私に尋ねる。好き嫌いも遠慮もない私が、「ケソもチョリソも果物も全部好き!!」と答えると、

「今日のお昼は私が準備するよ!」とばかりに、メルカードのあちこちのお店でお買い物をしまくっている。。。
おばあちゃん、かなり張り切っちゃってるんじゃない?そんなに買い込んで大丈夫?

お宿に戻り、アナスターシオと息子さんが迎えに来てくれるまでおばあちゃんと二人でボガディーリョ(サンドイッチ)を作ってアルミホイルでラッピング(スペインの人はあまりラップを使わないみたい)したり、オレンジをバスケットに詰めたりして楽しくお弁当の準備をしていた。

外国人のお弁当って切って挟むだけ・・・カンタンで準備するのもラクチンだなあ。おばあちゃんに「これが日本のお弁当だよ」って、最近はやりのキャラ弁を見せたらきっとビックリするだろうな〜。。。

アナスターシオが約束どおりの時間に迎えに来てくれたので、お宿のセニョーラ(おばあちゃんの娘さんだと思う)に見送られ、いざコンスエグラに出発!!

「Hola!」と元気よく挨拶をしてクルマに乗りこんだ。何年落ちか分からないくらいに年季の入ったRENAULTを運転してきてくれたのは、きっと中年のセニョール(おじさん)だろうと思いきや、「Hola!」と言って振り向いたのは・・・

妙齢の男子じゃないの!!
でかした、アナスターシオ!!



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おばあちゃんは私が昨日「アナスターシオに迫られた」と言った事を未だに気にしているらしく、「あのじいさんと二人でコンスエグラに行くなんて、大丈夫かねえ??(多分)」と、いたく心配してくれている感じ。

二人っきりじゃないから大丈夫だと思うよ、アナスターシオの息子(多分いいトシのセニョール・おじさん)も一緒だから三人だし!とおばあちゃんに言っても、
「うーーん・・・そう?でもねえ・・・」という感じでなんだか歯切れが悪い。

大丈夫大丈夫、そんなに心配しないで!と重ねて言おうとしてハタと気づいた。

あっ!もしかして・・・おばあちゃん、私たちと一緒にコンスエグラに行きたいのかも??おばあちゃんも一緒に来てよ!って言ってみようかな?

クルマだったら三人乗っても四人乗っても同じようなものじゃない?お金に細かい人なら積載量(この場合人間一人分の体重)が増えるとタイヤが余分に磨耗する!とか、ガソリンが余分にかかる!とか言いそうだけど、アナスターシオは(まあ多少の下心はあったような気もするが)タダで旅人をVESPAに乗っけてそこらへんを走り回ってくれるような太っ腹のおじいちゃんだし、おばあちゃんが一人増えたくらいで、そんなにケチくさいことは言わないと思う。
というより思いたい


おばあちゃんに「一緒にコンスエグラに行く?」(Let’s的な言い回しを知らないのでこんな誘い方しかできなくてごめんねおばあちゃん)
と聞くと、おばあちゃんは「Si!」とにっこり笑って返事をしてくれて、しかもなんだか嬉しそうなご様子。
昨日「アナスターシオの息子に迎えに来てもらって、コンスエグラに行ってきなさい!」って言われた時に誘ってみればよかったなあ。

気が利かない旅人ですみません。


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翌朝。
いつものようによく晴れたいいお天気。朝日を見ながら、今日はメルカード(市場)でアナスターシオとアナスターシオの息子さんと私が食べる分のお弁当になりそうなものを買ってこよう!(こういう心遣いってほんと日本人的だなあ・・・)と階段を降りて(私の部屋は2階)玄関に向かうと、お宿のおばあちゃんもちょうど出かけようとしていたところだったようで、「おはよう!」と元気に挨拶をしてくれた。

「おはよう!今日もメルカードに行くの」と言うと、おばあちゃんが「私も行くよ」と言うので、二人でテクテクとメルカードに向かった。
しばらくおばあちゃんと二人でメルカード(市場)の中をウロウロして、「このケソ(チーズ)は安い!」とか「あのチョリソ、すっごくおいしそう!どれを買えばいいか迷うよ〜」などと仲良くお買い物の相談などしていると、メルカードに出店している、果物屋さんやお肉屋さん、野菜屋さんのお店のセニョーラたちが、ニコニコしておばあちゃんに

「Hola!ご機嫌いかが?」とか、
「Hola!オレンジが好きだったよね?おいしいオレンジがあるわよ!」とか、
「Hola!コーヒーでも飲んでいかない?」などと、明るく声をかけてくる。

ここ数日ティーバッグを頂いたりグラニサーダ・リモン(レモネード)をごちそうになったりしたので(他人の好意を物品で量りがちな私は)親切ないいおばあちゃんだなあ。。。と思っていたけれど、それに輪をかけて地元の人にも愛されるいいおばあちゃんなんだわ、と改めて思ったのだった。

気前のいい人はみんなに好かれるものなのだなあ。

私が3人分のパンや(あまり高くない)ケソ(チーズ)を買おうとすると、おばあちゃんが
「たくさん買うね」と驚いたように言うので、
コンスエグラで、私とアナスターシオとアナスターシオの息子の3人で食べるつもりなの」と答えたけど、おばあちゃんはなぜか無言。。。


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でもまあコンスエグラは元々行ってみたかったし、この感じだとクルマにもタダで乗っけてもらえるみたい(タダ大歓迎!大阪人だもん)だし、ドライブも久しぶりだし、連れてってもらっちゃおうかな、コンスエグラに。

アナスターシオには一応昼間に、キッパリと
「日本人は会ったばかりの人とは

ほっぺにも手の甲にもチューなんてしない!!」
って釘をさしておいたし、もう今日みたいに迫られることもないかな??でも念の為お宿のおばあちゃんからもアナスターシオに釘をさしておいてもらった方がいいよね、と思ったので

No besame(私にキスしないで)!ってこのおじいちゃんに言って」とおばあちゃんに頼むと、
今まで温厚だったおばあちゃんが
「Beso(キス)?!なんてこと!!

このじいさんがあなたにキスしたの?!」
と、目を吊り上げてアナスターシオに向かって
アンタ!!この子になんてことしたの!!」と怒り始めたので、アナスターシオの名誉のために、慌てて
「No la boca!Mano y mejilla(口じゃないよ!手とほっぺにされたの)」と、フォローはしてみたけど、それでもおばあちゃんがアナスターシオを見る目はさきほどまではなかった『このスケベ爺!』という気持ちがこもっているような・・・。

明らかに、今までアナスターシオと二人で「明日、この子(=私)をどういうプランで観光させようか?」と話し合っていた時とは違う気がする。
あやうくおばあちゃんに怒られそうになったアナスターシオも心なしかシュンとしてしまったし、ちょっと余計な事を言ってしまったかも。

ごめんねアナスターシオ。



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玄関先で
「行こうよ!」
「やだ!行かない!」
と押し問答をしている私たちを気にしたのか、お宿のおばあちゃんも顔を出し、アナスターシオにペラペラペラっと早口のスペイン語で話すと、アナスターシオもおばあちゃんに早口で何やら返事をしている。

おばあちゃんがうまいこと言ってアナスターシオを退散させてくれるかな??と期待しつつ、しばらくその場に突っ立って、二人の会話を聞き流していた。

テニスの試合でボールの動きを見つめる観客のように、おばあちゃんが話す時はおばあちゃんの顔を、アナスターシオが答えている時はアナスターシオの顔を、と左右に首をふりながら一応フンフンと相槌をうったりしていると、やっと結論が出た様子。

結局二人の話し合いの結果。
「あなたがよければだけど」とおばあちゃんは前置きをして、
「明日の朝、アナスターシオとアナスターシオの息子(アナスターシオは結構なおじいちゃんだし、『息子』といってもピチピチの男の子じゃなく、きっといいトシのセニョール(おじさん)だと思う・・・)にクルマでこのお宿まで迎えに来てもらい、クルマでこのお宿があるアルカサル・デ・サン・ファンから50kmくらい離れた、コンスエグラという風車の村に連れて行ってもらうという予定だけれど、あなたはどうしたい?

行きたい?行きたくない?」と二者択一の結論を出してくれた。

「ちょっとそこらへんをVESPAで走らないか?」というお誘いを断りたかったのに、アナスターシオの息子まで出てきて

明日は3人で一日観光??
おばあちゃん、どういうネゴをしてくれたんだろう??
話が全っ然見えないんだけど。。。


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アイスクリームを平らげ、後味の悪い別れ方をしたセニョールがくれたボガディーリョ(サンドイッチ)も食べ、結局お宿のおばあちゃんがいれてくれたグラニサーダ・リモン(レモネード)もおいしく頂いて、ああ満足!腹ごなしにちょっとシエスタシエスタ(お昼寝)。。。(食べてすぐ寝るなんて、腹ごなしも何もあったものじゃないけど)と、ベッドに寝転んで惰眠を貪っていると、お部屋のドアがコンコンとノックされた。

ドアを開けるとアイスレモネードを飲ませてくれたおばあちゃんが

「Hombre!Hombre!(男が!)」と少し慌てている様子。

男って??と思いながら玄関のドアを開けると、
わっ!さっき別れたばかりのアナスターシオ!!

何しに来たの??これじゃちょっとしたストーカーだよ・・・

と、ビビっている私に怯むことなく、アナスターシオは
VESPAで来たんだよ!今からこの周りをVESPAで走らないか?」と、彼女をデートに誘う若造のような事を言う。
あああああ不用意にお宿の名前なんて言うんじゃなかった。。。まさかここまでやって来るとは。私のバカっ!!

しかし、おじいちゃんのくせにやたら行動力があるなあ、アナスターシオ。。。
いやいや感心している場合ではないか。カンポ・デ・クリプターナプチ貞操の危機も感じた事だし、二人っきりっていうのもなあ・・・やめておいた方が無難だろうな、と思ったので、
「すごく疲れてるし、今から日本の友達にたくさん手紙を書かないといけないので行きません」とお断りすると、

「今日疲れてるなら明日は?」とアナスターシオも食い下がる。
・・・なかなかしつこいじいちゃんだわ。


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アイスクリームが溶ける前にお宿に戻らなきゃ戻らなきゃ!と、強い日差しの中を急いで歩いたものだからお宿につく頃には大汗をかいていて、アイスクリームより先にシャワーを浴びたいくらい。玄関のチャイムを鳴らすと、お宿のおばあちゃんがドアを開けてくれて

あらあらすごい汗!暑かったでしょう!グラニサーダ リモン(レモネード)を飲まない?」

と嬉しい事を言ってくれた。
レモネードも飲みたいけど、「コレ買った!」アイスクリームのカップを見せると、「私もあなたくらいの年齢の時はたくさんアイスクリームを食べても太らなかったけれど、

今は少し食べるとすぐお肉になるわ!あなたは全然お肉がついてなくっていいわね!(多分)」
と言いながら、私の二の腕やほっぺたの、かなりぷにぷにして肉付きのいい部分を指先でつまみながら楽しそうに笑う。

ヘレス・デ・ラ・フロンテーラでお世話になった豪快なセニョーラ(おばさん:ヘレス・デ・ラ・フロンテーラで泊まった安宿のおじさんの娘さんで、町の中心地から少し離れたところにある王立の馬術学校にクルマで連れてってくれたりして、とっても親切にしてもらった)に

「中国人は細いね〜!!」という言葉と共に、肩といわず背中といわずバンバン叩かれたときは『細いって言われるのはもちろん嬉しいけどそんなに遠慮なく叩かれたら結構痛いよ、細いね!って思ってることはもう充分伝わったから、

適当なところでカンベンして下さいよ
って感じだったけど、このお宿のおばあちゃんのお肉のつまみ方はすごく優しくて、なんだかほんとのおばあちゃんに撫でてもらっているみたいだった。


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狭苦しい思いをしながらも15分くらい走ると、バスはアルカサル・デ・サン・ファンに到着した。

昨日あんなにガラーンとして、職員さんさえいなかったエスタシオン・デ・アウトブセス(バスターミナル)なのに、今日はうってかわってたくさん人が集まっていてわさわさしている。ほとんど学生さんって感じで、熱気がすごい。バスの中も外も暑苦しいったらありゃしない。。。

心配性のセニョール(おじさん)はバスを降りた後も私にびたっとはりつき、
「○○(←聞いたことがない地名)に行くにはどのバスに乗ればいい?」などと質問してくるので、もうここから先は私もしらない、窓口で聞いてくれ!と突き放すと、

「中国人め!!」という罵りの言葉を残し、足早に窓口へ向かっていった。
ぬうう・・・ケソ(チーズ)入りボガディーリョ(サンドイッチ)はありがたく頂くが・・・後味の悪いセニョールだわっ!

と、少し気分を害しながらも『モノには罪はないもんね。このボガディーリョはありがたく頂いちゃお』と、セニョールがくれたボガディーリョと一緒にスーパーでヨーグルトかなにか、適当に買って遅めのお昼にしよう、と思ってスーパーマーケットに寄ってしまったのが運のつき。

以前から食べたいな〜と思いながら「高い!ガマンガマン!」と指をくわえて見ていたアイスクリームが半額になっている!ラ・マンチャに来てから、ミネラルウォーターもかぶがぶ飲んでるからお水代もバカにならないし、節約しないといけない。と分かってはいるけれども、お腹の足しになるお豆やとうもろこしの缶詰を買わずに、アイスクリームを買ってしまった。

キャー贅沢っ!


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洋の東西を問わず、最近の若い人は年長者に対しての礼儀がなっていないようで、高校生風の女の子はすがりつくような目をして駆け寄ったセニョール(おじさん)のアルカサル・デ・サン・ファンが!アルカサル・デ・サン・ファンが!というくどくどしい質問を

「知らない!」と、

一蹴すると、その後すぐにやってきたスクールバス(多分)に乗り込んで去っていってしまった。。。

取り残されたセニョールは走り去るスクールバスを恨めしそうな目で見つめ(さすがにスクールバスを追いかけるような失態はおかさなかったけれど)、

仕方ない、もう一度コイツに聞くか・・・という感じで私に向き直り、「アルカサル・デ・・・・」と言いかけたので、

「私もアルカサル・デ・サン・ファンに行くから!!バスが来たら教えるから!!」と前倒しで返事すると安心したらしく、「グラシアス!」と言いながら、チーズを挟んだ手作りっぽいボガディーリョ(サンドイッチ)をくれた。
こんなことくらいでお礼を頂けるなんて。。。なんだか申し訳ないなあ。

しばらくの間心配性のセニョールと二人、ベンチに腰掛けて待っているとアルカサル・デ・サン・ファン行きのバスがやってきたので、「あ、コレコレ!」とセニョールと一緒に乗り込むと、たくさん座席が空いているにも関わらず、セニョールは私の隣に座った。。。

うう、狭いし暑い。。。
こんなになつかれるなんて予想外だ。



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そういえばお宿のセニョーラにも「一人で買い物できるなんてエライねえ」って褒められたなあ。ラ・マンチャでは褒められる事が多いような気がする。褒め上手な人が多いのかな。

バス停でアナスターシオとお別れし、今日はほんっっとに久しぶりに他人と言い争いをしたなあ・・・と先ほどの痴話ゲンカ(??)を思い出し、大阪弁を口にするのもほんま久しぶりやったわ〜・・・と思っていると、一人のセニョール(おじさん)がバス停にやって来た。

このセニョール、(楽天的なスペイン人らしくもなく)少し心配性らしく、14:00過ぎにバス停に来て、そのままお客を乗せずにUターンしたバスを(カンポ・デ・クリプターナからアルカサル・デ・サン・ファンに向かう)14:15に発車するバスだと思ったのか、

ものすごい勢いで走ってバスの後を追いかけて行った・・・。

バスの運転手さんはセニョールが追いかけていると気づかなかったのか、もしくはとってもイジワルな人だったのかは定かではないけれど、結局バスに追いつけないまま、とぼとぼとバス停に戻ってきたセニョール、明らかに異国人の旅人(=私)に向かって

アルカサル・デ・サン・ファンに行くのか?アルカサル・デ・サン・ファン行きのバスはここから出るんだよね?アルカサル・デ・サン・ファン行きのバスはいつ来るんだろう?さっきのバスはアルカサル・デ・サン・ファン行きのバスじゃないのかな?」
と質問攻め。

アルカサル・デ・サン・ファンって何度言ったら気が済むのかなこのセニョール。。。かなり切羽詰った用があるんだろうな、あの何もない町に。

アルカサル・デ・サン・ファンに夢中のセニョールに、「さっき出発したバスはアルカサル・デ・サン・ファン行きじゃないと思う。きっと次のバスがあなたの乗りたいバスだと思う」と言うと、異国の旅人(=私)は信用できないと思ったのか、バス停にやって来た高校生風の女の子をつかまえて、先ほどと同じようにアルカサル・デ・サン・ファン行きのバスがどーのこーの、と、くどくどと質問している。


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「これからもキミに花束を渡そうとする男がいるかもしれない。その時は相手をよく見て、気をつけるんだよ!」とアドバイスをくれたアナスターシオ。

アナタがおじいちゃんじゃなく、あと40歳くらい若ければもしかしたら私は喜んで花束を受け取ったかもしれないよ、という言葉を飲み込み、神妙な顔をしてうなずいたのだった。。。

カフェ・コン・イエロ(アイスコーヒー)の一気飲みでノドの乾きも癒されたので「そろそろアルカサル・デ・サン・ファン行きのバス停に向かわなきゃなあ」と思っていると、モゾモゾしている私を見たアナスターシオが

「バス停まで送って行こうか?」と行ってくれた。

ベタベタすんなっ!!なんて激怒したばかりなのにまたしてもVESPAに跨るのはなんだか気恥ずかしかったけど、アナスターシオが「さあさあ乗った乗った!」という感じでニコニコ笑ってくれたので、それじゃあ遠慮なく・・・という感じでバス停まで乗せていってもらった。ゲンキンな私。。まあいいや、一応仲直りもしたし。

アナスターシオのVESPAでアルカサル・デ・サン・ファン行きのバスが出るバス停まで送ってもらい、そこでバイバイしようとすると、アナスターシオは「キミはアルカサル・デ・サン・ファンのどこのオテルに泊まってるの?オテル・ドンキホーテ?」と聞くので、

「オテル・ドンキホーテは私には高いよ〜!○○っていうオスタル(安宿)に泊まってるの」と言うと、アナスターシオは

「若い人は贅沢をしない方がいい!オスタルに泊まっているキミはエライ!(多分)」と褒めてくれた。
エライなんて言われるとなんだか面映いわ・・・あまりお金を持ってないから仕方なく、って事も安宿に泊まる大きな要因なんだけどなあ。


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お水売ってるお店知らない?」
「ほんとにゴメン!」

と、二人共同時に相手に話しかけてしまった。そのタイミングがおかしくって、もう一度お互いの顔を見た途端、私もアナスターシオも照れ隠しのような微笑みをうかべ、

「ゴメンね」

「ゴメンね」

と、これまた二人同時に謝ったので本格的におかしさがこみ上げ、ニコニコしながら右手を伸ばして、仲直りの握手をした。

「たくさん歩いてすごくノドが乾いた」と言うと、アナスターシオがVESPAに乗っけてくれて、小さなBar(立ち飲み屋さん)に案内してくれた。
そこでカフェ・コン・レチェ(アイスコーヒー)を飲みながら一息ついて、アナスターシオになぜ私がさっきあんなにも怒ったのか(日本人は会ったばかりの人とはたとえほっぺでも手の甲でもキスしたりしないし、男子が女性の腰に手を回すなんてありえない!!というようなこと)を諄々と説くと、アナスターシオも

「ヨーロッパでは花束は男性が女性にプロポーズする時に渡すものだから、自分が作ったバラジャスミンの花束をキミが受け取ってくれたから、自分の好意をキミに受け入れてもらえたと思ってあんなことをしてしまった」と、ヨーロッパの風習をレクチャーしてくれつつ、自分がなぜあんな行動をとったのかを説明してくれた。

そっかー・・・男性から女性への花束にはそんなにふかあい意味があったのね。そういえば海外のドラマや映画を観てると、花束片手にひざまづいた彼氏が、彼女に向かって「ケッコンして下さい!」なんていうシーンもあるし。。。

と納得。日本だと「うわーキレイな花束!どうもありがとう!!」で済むところなのに、『ところ変われば品変わる』だなあ。
これからはみだりに男性からの花束は受け取るまい。



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プリプリしてその場を立ち去ろうとすると、アナスターシオはVESPAを押しながら追いかけてきて、
「どうしてそんなに怒ってるの?怒ってるなら謝るよ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」と延々と「ごめんなさい」を繰り返す。

「ゴメンじゃないよっ!!
日本人は知らん人にチューなんかさせへんねんっ!!

と、興奮冷めやらず大阪弁でまくしたてる私と、ゴメンゴメンと謝り続けるアナスターシオ。

ハタから見たら妙齢のご婦人とじいちゃんが痴話ゲンカしてるみたいじゃないか・・・。この町もアルカサル・デ・サン・ファン同様、人通りがほとんどなくって、ハタから私たちを見てる人なんて誰もいないけど。
私の剣幕に恐れをなしたらしいアナスターシオは
「ゴメンゴメンゴメンゴメン。カンポ・デ・クリプターナ駅まで送ろうか?」と下手に出始めたけど、

いらんっ!バスで帰る!!」(まだ大阪弁)と一言でお断りし、アナスターシオとVESPAをその場に残し、チューされたり腰に手を回されたりした時の怒りを忘れられないまま、引き続きプリプリして目的もなく歩いていると、直射日光に炙られている暑さとしょうもないことをしたアナスターシオへ怒りでアタマがクラクラしてきた。

そういえば今日はあまり水分も取ってなかったなあ・・・どこかにお水売ってないかな??と思っているのに、商店もスーパーも見つからないまま、とうとう町外れまで来てしまった。

もうっ!!ここはゴーストタウンかっ!!こんなに歩いて売店のひとつもないなんてどういうことっ!
と、一層イライラしながら今来た道を引き返して再び射撃場に戻ると、今『しょんぼり』という擬態語がこれ以上似合う人はラ・マンチャにはいないだろう、と思うくらいに打ちひしがれたアナスターシオがVESPAに凭れて佇んでいた。。。


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なんで私が会ったばかりのじいちゃんにチューを強要されなきゃなのっ。
いやだいやだっっ!!


「日本人はスペイン人と違って、知らない人とキスなんかしないんだよ!!!と花束もろともアナスターシオを押しのけようとすると、
「ほんとに日本人はカワイイカワイイカワイイ」と更に迫ってこられ、強引に

ほっぺと両手の甲にぶっちゅー!!キスされてしまった。

ぎゃーーー!!!このキスのしかたっ!!多分「親愛」じゃない、どちらかというと「色恋」だっ!!!
なんて強引なじいちゃんなのっ。これはえらいことになってしまった・・・

誰か助けて〜!!!

両手とほっぺにチューぐらいでこのじいちゃんは私を解放してくれるの?これ以上のことを求められたら絶対大声出してやるから!!と身構えていると、アナスターシオは相変わらず呪文のように「ほんとに日本人は小さくて細くてカワイイカワイイカワイイ」などと言いつつ、私の腰に両腕を回してきた。

何が「小さくて細くてカワイイ」だっ。これでも日本じゃ骨太の大女だよっ!!
もうガマンできないっ!!


アユート(助けて)!!!」(咄嗟に出るのは未だにイタリア語・・・)
と大声を出すと、アナスターシオも驚いたようで「どうした?何を怒ってる?」と腰から両腕を離し、ぼーっとしているアナスターシオに

「私はあんたの娘でも彼女でもないんやからベタベタすんなっ!!
と大阪弁で一喝してやった。


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