しかし、いざ砂漠を歩き始めてみると、ダルそうなラクダにも一応働く意欲はあるらしく、1時間くらいは文句も言わずテクテク(というよりボクボク)と歩いていた。
最初は
「おお、揺れる揺れる」なんて言いつつ必死でラクダのコブを掴んでいた私も、時間が経つうちに慣れが出てきて、以前かじった事がある乗馬を思い出し、
「いつまでもこんな並足じゃつまらん、
もうちょっと早く歩け!」と、先導してくれるラクダおじさんの目を盗んでラクダのわき腹を足でボコっと蹴飛ばしてみたり(乗馬の「動け」の合図。しかしこのラクダには通用しなくて全く歩調は変わらず)、コブに生えてる毛を逆立ててから好き勝手に分け目をつけ、
「センター分け」とか
「七三」なんてふざけたり、ラクダに乗った自分の影が砂丘に大きく映るのを見たりしていると
「乱暴されて殺されて捨てられる」という心配(というか被害妄想)は、どこかに吹き飛んでしまった。
見渡す限りに続く赤い砂丘。。。

これがワルザザードのホテルのフロントマンが教えてくれた
『大きい砂丘』に違いない!!
あの時フロントマンに行き先を相談しなかったら、今私はここにはいないんだなあ・・・。
赤い砂でできた海に沈んでいくような夕日を見ていると、
「今ここにいることの不思議」が胸に迫ってきた。
タンジェでもフェズでもマラケシュでも
「もうモロッコなんてたくさんだ!!すぐにスペインに戻るっ!!」っていつもいつもいつも思ってたけど、結局戻らずにいたから、今ここでラクダの背中にまたがってこんなにキレイな夕日を見ているんだなあ・・・。

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