「あの!!宮殿に入りたいんですけど
入り口が分からないんです!!」と遠慮も何もなく2人に声をかけたら、女の子(カトカさん)が親切に「私はどうすればいいか分からないので、係りの人に聞いてみます」と言ってくれたものの、肝心の係りの人が見当たらず・・・。一緒にいる初老の男性は、オロモウツ大学で日本語を教えていて、カトカさんはその生徒さんらしい。2人で講義後に日本語の練習も兼ねて散歩していた所に私が声をかけた次第。その後教授は「ちょっと所要が」ってことで残念ながらすぐにお別れしたが、カトカさんが「私がオロモウツを案内しましょうか?」と言ってくれたので、ありがたくお願いすることにした。
カトカさんはオロモウツ大学の日本語学科の5年生。チェコ語とも英語とも全く違う言葉を学びたくて、あえて大学入学時に日本語学科を選択したら、入学当初は20人くらいいた学生が日本語の難しさに挫けてやっぱりドンドンやめていくので、5年たった今では7人しか残っていないらしい。しかもチェコ←→和辞典ってのが種類が少なくって、勉強する為のアイテムも不足気味。で、チェコには
大学が4つ(!)しかないらしく、数少ない大学進学者の一人とのことで、
「すごいですね。4つしかない大学に合格するなんて!!エリートですね!!」と感心していたら、
「チェコでは大学受験した人は全員合格するからエリートじゃないです」ですって。あらご謙遜。チェコ語とスロバキア語、日本語以外に英語も話せるし、自分の実家のことを「私のさとは」って素で言えるくらい、日本語マスターしてるのに!!住所教えてもらった時も、漢字で「寮」「自宅」って書いてくれたし!しかし5年間一所懸命勉強したら、外国語がモノになるのだなあ。。。すごいな、人間って。ていうかすごいなーカトカさん。。。
寮にも案内してもらって、カトカさんと、彼女のルームメイトさんと一緒にコーヒーなど頂いた。カトカさんの部屋で毛筆で「花斗価」(以前日本語を教えてくれていた教授が書いてくれたらしい)と書かれた半紙を見せてもらい、この「価」ってちょっと微妙かも・・「香」とか「歌」とかの方が女の子らしいと思うけどな、と思ってしまった。言わなかったけど。。。
「日本人で好きな作家は誰ですか?」って聞いてみたら、カトカさんは「英語訳の小説ですけど」って、£13(ポンド。イギリスの通貨)もする
三島由紀夫の小説を見せてくれた。あっ三島読むんだったら進呈しよう!と思って、バスの中で読んでた三島の
仮面の告白を「これ、お古で申し訳ないんですけど、ここで会ったのも何かのご縁なので三島がお好きならどうぞ!」と譲ろうとしたら、初めはカトカさんは
「でも会ったばかりの人にそんな貴重な物を貰うのは申し訳ないです」と
日本人ばりに遠慮していたけれど、私はひるまず「でももう何度も読んだものだし、私が持ってるよりカトカさんに持っててもらう方がこの本も役に立つと思うし!!」と重ねて受け取るように迫り、ルームメイトさんも「もらっときなよ!(多分)」みたいにカトカさんに勧めてくれ、遠慮がちなカトカさんもやっと受け取ってくれた。ほっ。
仮面の告白って、まだチェコ語訳で出版されてないらしいので、「ぜひカトカさんが翻訳して下さいね!」というと、「その時は
献辞としてあなたの名前を本に載せます」と言ってくれた。帰りのバスターミナルまで、わざわざトラムに乗って送ってくれた親切なカトカさん、何年かかっても、絶対に「仮面の告白」、翻訳してね!!あなたならきっとできるはず!
ブルノに戻ったら、Paniが夜ゴハンもサービスしてくれたので、その時に「今日はオロモウツ行って楽しかった〜」みたいな事を話してたら、明日は少し遠いけど
テルチに行ってみたら?とオススメしてくれた。少々遠くても今日みたいな緑濃い景色の中のドライブなら全然退屈しないし、じゃあ明日はテルチに行ってみよ!

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